ABOUT

「GUSU」 前田努と高岩千容の二人(夫婦)で活動している創作ユニットです。 「具す」とは古語で ”連れ添う” という意味があります。 共に暮らしていく中で、素直に二人がいいと思える物や事がらを 二人のタイミングで、楽しみながら自由に創作しています。 立体物の製作だけでなく 印刷物など、平面のデザインもしています。 ---------------------------------------------------------------------------------- ■幌の素材について 小さい頃、近所にある小さなテントの縫製屋さんの玄関先に いつも自転車が、置いてありました。 自転車には、そこのおじさんが作った、トラックの荷台に使う幌の 素材のカバーが被せてあって、 何年、何十年も雨風に打たれてもカバーとしての 役目をはたしていて、その幌の表面が、 だんだんと汚れていく様が、なぜか かっこよく感じ、いつも見ていました。 どこか懐かしく、頼もしい素材だなと。 ある日、この素材を使って自分用カバンは作れないかと思い、 思い切って縫製屋さんの門を叩きました。 すると、突然の訪問にも関わらず、こころよく僕の話を聞いてくださり、 工場の事や生地の事を優しく教えてくださいました。 帰る時には、たくさんの幌の生地を頂いてしまいました。 その頂いた生地を使って作ったのが、幌のカバンの始まりです。 ■床革について 僕は以前、靴をデザインする仕事を10年ほどしていました。 その時に、革の開発もさせていただいていて、 革を開発する上でいつも心苦しい思いをしていました。 普段目にしている牛革は、革の表面の事をさします。 床革は革の下面です。 牛革はもともと分厚い素材です。多くの靴やカバンに使われている革は 表面の上部、数ミリの部分です。 その他の下層部分の多くは捨てられてしまいます。 革の表面部分は、傷があっても化粧が施され 靴やカバンとして生まれ変わります。 床革は、下層部分なので、傷や牛の血管の痕などがたくさんあり、 使い物にならないと判断され、捨てられていきます。 同じ革なのに捨てられいく、床革を見ていつも心苦しく 思っていました。 床革もヌメ革と同じように使い込むごとに、色が濃く変化し 手の油などを含んで、だんだんと、しなやかになっていく素材です。  そんな床革を大事に使うことはできないかと思い、製品にしています。  僕たちの仕事は、小さな小さな仕事です。 捨てられていく床革は、なかなか減っていきません。 床革はとても豊かな表情を持つ、大事な天然素材です。 僕たちの製品で床革の存在を知ってもらい、 もっと多くの方に使っていただければ幸いです GUSU  前田 努